ビジネスであれば、なるべく高い値付けをして売りたいのが本音です。
しかしそこには需要と供給・ライバルとの比較や、常識の枠など壁があります。
今回はその壁の中で、値付けとお客さんの心にある価格についての心理について考えます。
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『普通』≒『みんなといっしょ』を好む日本人
友人の結婚式に招待されたとします。
女性などは特にそうですが、着ていく服を選ぶのに苦労します。
曰く「派手すぎず、地味すぎず・・・・・」
『みんなと同じくらい』を(できれば少しだけ華やかなくらい?)をとても意識しています。
このような思考の理由としてもともと日本人が
- みんなで協力して暮らす農耕民族である
- 限られた土地である島国に暮らしている
などが理由としてあがることがあります。
このように日本人は無難な『普通』を選択する人が多数派なのです。
『普通』が好きな日本人に向けた値付け
では、そんな『普通』を選ぶ多い日本人に向けた値付けのしかたとはどんな方法があるのでしょうか?
食事をしようとうなぎ屋さんに入ったとします。
メニューには
- 松 5,000円
- 竹 3,500円
- 梅 2,500円
と書かれています。
このように金額が3段階に分類されている場合、やはり圧倒的に『竹』を注文する人が多くなります。
もちろん物にもよって前後しますが、ある調査では約60%もの人が『竹』を選ぶのです。
そして松と梅がそれぞれ約20%くらいです。
この時のお客さんの思考では「う~ん、せっかくうなぎを食べるならば、おいしいのがいいな~。でも、松は高いけど、梅は~・・・、じゃあ、おいしさと値段のバランスの取れている(であろう)竹で!」
と、自分で自分の思考の中で正当化をしているのです。
3つの選択肢を提示したときに、多くの人が真ん中を選択する。
これを『極端性回避の法則』や『松竹梅の法則』と言います。
あなたの意図する値付けで売る松竹梅の法則
実はこの松竹梅の法則を使っているところは多くあります。
私たちは意識しているか、していないかに関わらず目にしているのです。
先ほどの例でのうなぎ屋さんなどの代表される飲食店。
コースやプランなどが3段階の値付けをされていることがあります。
または旅館なども宿泊プランを部屋や料理などの違いで3段階に分けて値付けをしているところもあります。
意外なところではスマホなどは
- 16G
- 64G
- 128G
のように値付け以外の部分が3パターンに分かれていて、購入者が選択をする形を取っているのです。
このように3段階あれば、基本的に人は真ん中を選択する確率が高まります。
つまり、あなたの希望する金額で値付けをしたものを松竹梅の『竹』の部分に設定すれば、お客さんがそれを選択する可能性が高まるということなのです。
そして、その上下に松と梅を設定するのです。
値付けは3段階
日本人はとにかく3という数字が好きです。
- 三大○○
- 御三家
- 三人娘
- 早起きは三文の得
- 石の上にも三年
- 三度目の正直
と、挙げればきりがありません。
『松・竹・梅』でも『並・上・特上』でも構いません。
しかし、並べる商品の値付けは3段階であることが大切です。
それ以上ではお客さんが迷ってしまいます。
また、それ以下では売り手に選ばされた感を強く感じてしまいます。
もしどうしても3段階が提示できないのであれば、まだ1択の方が潔くて説得力があります。
今から3段階の値付けの違いを作るコツ
通常は、売りたい商品やサービスの設定金額は1つです。
『松竹梅』の値付けの有効性を理解し、今から3段階の値付けをする場合にはどのように考えたら良いのでしょうか?
現状の商品が『竹』
基本的に『松竹梅』の真ん中。
『竹』を一番売りたい金額に設定します。
多くの場合、ここが現状の商品やサービスを置く場所になります。
これから残りの『松』と『梅』を決めていきます。
『松』を設定する
『松』は当然『竹』よりもグレードが上がります。
しかし、現状の商品やサービスで精いっぱいを提供しようと考えて設計した誠実なあなたは、これ以上『松』で何を提供したら良いのでしょうか?
ここでおススメするのが、『購入後のサポートを手厚くする』という手法です。
- サポート期間を長くする
- サポート対応を対面で行う
などが考えられます。
サポートを充実させるのであれば、必ずしも今ある商品を直接的にグレードアップさせる必要はありません。
『梅』を設定する
では、『竹』よりもグレードが下がる『梅』の場合はどうでしょうか?
こちらも考え方は同じで、直接商品やサービスをいじらずにその他の面で考えましょう。
通常の『竹』のコースで、そこそこのサポートがついているとしたら『梅』ではサポートをなくすなどが考えられます。
また、どうしても多少のサポートが必要不可欠な場合などは、サポートの方法を限定するということもできます。
例えばメールでのサポートのみになるなどです。
このように、できるだけ今ある商品やサービスをそのまま活かして、無理なく松竹梅の値付けをしていくことをおススメします。
まとめ
あなたの提供する商品やサービスも、3段階の値付け設定できないか考えてみてください。
ただし、金額では大きく違うのに実際はほんの言い訳程度の違いしかないものを売っている会社もあるようですがそれはもちろんダメです。
3段階の値付けにはお客さんが納得できる違いを明確につけてください。
そすることにより、あなたが売りたい真ん中の値付けの商品が売れていく可能性が格段に高まります。