経営者として大切な、パーソナルブランディングについてのお話です。
履歴書などに書く、『長所』と『短所』ってありますよね。
みなさんは、あれをスラスラ書けますか?
Contents
長所と短所?
『長所』
- 人を楽しませることができる
- リーダーシップを発揮できる
- 協調性がある
・・・・素晴らしいですね。
『人を楽しませることができる』
その人って、本当に楽しんでいるのでしょうか???
あなただけが楽しいのではないですか?
『リーダーシップを発揮できる』
本当に周りの人はあなたをリーダーシップが強いと感じていますか?
上下関係でやむを得ずついてきているのではないですか?
『協調性がある』
周りが気を使って合わせてくれているのではないですか?
パーソナルブランディングは相手がどう感じるか
文章がいきなり嫌な感じから始まりましたが、何を言いたいかというと、
あなたが思っているあなたと、他人が思っているあなたは必ずしも一致しないということです。
例えば、
「自分はおもしろい」
と自分で思っている人で、飲みの席で回りが引いているにも気が付かずにおやじギャグを連発して満足する人がいます。
仮にAさんとします。
この場合
- Aさん自分のことを「おもしろい人」だと思っている
- 周りはAさんのことを「つまらない人」だと思っている
ということです。
と、ここまでお話をすると、自分に自信がなくなってくるかもしれませんが、逆のパターンもあります。
Bさんは、常に
「人に優しくしよう」
と心がけています。
結果、この場合
- 周囲からBさんは「すごく優しい・親切」と思われている
- Bさんは自分を「全然人に優しくできていない(足りていない)」と感じている
ということが起こります。
これは、Bさんの中で「人に優しくする」というハードルが高すぎる場合に起こります。
今場合は
Bさん→「自分は(まだまだ)優しくできていない」
周りの人→「Bさんはとても優しい」
というギャップがあります
このような例はたくさんあります。
あなたがいくら
「私は○○だ!」
と言ったところで、周りが
「あなたは△△だ」
と受け取られれば、世間的にはあなたは△△なのです。
つまり、
『相手からどう見られているか?』
が重要であり、パーソナルブランディングを意識する際には、
『自分をどう見せたいか?』
ではなく、
『相手からどう見られたいか?』
に沿って行う必要があるのです。
裸の王様のセルフブランディング
先ほどの例
「自分はおもしろい」と自分で思っている人で、飲みの席で回りが引いているにも気が付かずにおやじギャグを連発して満足する人がいます。
多くの場合、こういう人に共通するポイントがあります。
なんだと思いますか?
それは、周りが引いている状況にも関わらず、誰もそれを教えてくれないのです。
なぜ教えてくれないのか?
多くの場合、おやじギャグを連発して周りを引かせていることに気が付かないような人の年齢は、周りで引いている周囲の人より高く、社会的地位や役職が高い場合がほとんどです。
だから周りは苦笑いをして
「はは・・、おもしろいですよ・・」
という雰囲気を出し、当人は
「そうか!おもしろいか!」
と、調子に乗る・・。
と、言う形に陥ってしまうのです。
周りは教えないのではなく、言えないのです。
周りが引くほどのおやじギャグを連発している人が若い人であった場合には、誰かが注意するでしょう。
場合によっては叱られるかもしれません。
若い人であればだれかが注意してくれるのです。
しかし、年齢が上がると注意されなくなります。
そして、注意をされない人の最高峰が経営者です。
もうこうなると、裸の王様です。
誰も止めてくれません。
「うちでは上下の垣根がないから部下もみんな遠慮なしに言ってくれるんだよ~」
・・・そう思っているのはあなただけです。
それが裸の王様です。
あなたも裸の王様になっていませんか?
経営者のパーソナルブランディング
社員を苦笑いさせる程度であればいいですが、これがビジネスに影響がでるようだといけません。
または、パーソナルブランディングを少し変えるだけで、良い影響が出るのも関わらず、それに気づかない・周囲もあえて言わないというのももったいないパターンです。
ではどうしたら良いのでしょうか?
新入社員は、先輩に注意をされます。
課長は部長に指摘をされます。
だからそこで気が付くことができるのです。
経営者は・・・、上下関係のない人の意見を聞くことです。
できれば上の関係の方がいればベストでしょう。
そこで考えられるのが、
家族・奥さんの意見を聞く
経営者であるあなたと、世界一上下関係のない立場から、辛辣な意見をもらえるでしょう。
しかし、だからこそ私的な感情が入ってしまうことが多くあります。
また、あなたのビジネスについてよくわかっていない場合や、あなたからすると
「そうは言っても・・」
「ビジネス上やむを得ない・・」
という気持ちとの葛藤が生まれることがあります。
経営者仲間の意見を聞く
同じ経営者の立ち位置からの意見は非常に役立つものとなる場合があります。
特に、経験豊富な経営者であればなおさらです。
しかし、よくある経営者仲間の集まりには、まれに
『頑張ろうとしている人を妬む』
ような空気がある場合があります。
彼らは、そこに留まっているのが心地よいのです。
業績が悪い理由を、景気のせいや社員のせいなどにしている人には要注意です。
コンサルタントを入れる
井の中の蛙ではなく、広い視野で他業種などを見ているコンサルタントの意見を聞くのも有効です。
しかし、自身の売上確保のために、経営者であるあなたに辛辣な意見を言わない腰ぎんちゃくのようなコンサルタントでは逆効果です。
この場合は信頼できる人を見つけられるかがカギです。
パーソナルブランディングは世間に媚びることではない
先にも述べましたが、重要なのはあなたが
「どう見せたいか」
ではありません。
世間から「どう見られたいか」です。
そのためには、世間から
「どう見られているか?」
を的確に察していく必要があり、決して世間の印象をよくするために媚びる行為ではありません。
それをあなたの方でコントロールしていく必要があるのです。
さて、あなたは周囲からどう見られていますか?
そしてどう見せていきたいですか?
まとめ
経営者は上司に叱られません。
ということは、間違った方向に進んでいたとしても、誰も言ってくれないのです。
その怖さは忘れてはいけません。
裸の王様にならないよう、気になった点を指摘してもらえるような自分であることと、指摘してもらえる環境づくりを意識して作りましょう。