経営者であれば一方的な視点ではなく、さまざまに視点を変えることにより、客観的に物事を見ることが重要です。
「こんなに良いものなのに、思うように売れない」
「○○より、自社製品の方が良いのに知ってもらえない」
「一度使ってもらえば良さを分かってもらえるのに、使ってもらえない」
経営者の方にお会いをすると、このような悩みを抱えている方が多くいます。
今回は一方的なものの見方ではなく、視点を変えて物事を見るにはどうしたら良いかについてお伝えします。
Contents
視点を変えることの重要性
とある国に目の見えないホームレスがいました。
彼は、段ボール紙にこのように書いて、道行く人から小銭を恵んでもらおうとしていました。
「私は目が見えません。小銭を恵んでください」
しかし、人は彼の前で足を止めることはありませんでした。
そこに女性が通りがかり、メッセージの書いてある段ボール紙の裏に何かを書き、ホームレスの前に置きました。
すると
次から次へと人々が彼の前で足を止め、小銭を置いていくのです。
彼はびっくりしまして、再び彼の元に訪れた女性に「一体、段ボール紙に何と書いたのですか?」と聞きました。
彼女の書いたメッセージはこうでした。
「今日は素晴らしい日ですね。しかし私にはそれが見えません」
さて、一体なにが変わったのでしょうか?
変わったのは視点です。
最初のメッセージ、「私は目が見えません。小銭を恵んでください」は、単に彼の側からの主張です。
そして女性の書いたメッセージ、「今日は素晴らしい日ですね。しかし私にはそれが見えません」は見る側に共感させ、感情を動かす内容になっているのです。
良いものなのになぜ思うように売れないのか?
「良いものなのに売れない」という経営者のメッセージは、一方的であることが多いです。
あなたの商品やサービスがどれだけ素晴らしいかは、あなた側の主張です。
もちろんそれで納得した人は購入するでしょう。
しかし、あなたの思うように売れるまでは程遠いはずです。
ここで考えなくてはいけないのは、
あなた側からの一方的なメッセージを発信していませんでしたか?
ということなのです。
いくつかの視点から考えてみることが大切です。
視点を変える方法
視点を変えると言ってもどのようにしたら良いのでしょうか?
ここでは、具体的に6つの方法をお伝えします。
1.大きさを変える
現在あるもののサイズを変えてみる方法です。
最近では、コンビニなどに売っているお菓子のビッグサイズなどがあります。
逆にミニチュアにして、可愛さをアピールすることもできます。
2.逆転発想
マイナスな面などをあえてアピールしたりと、通常とは逆の発想で、アピールする方法です。
繁華街に新しくオープンしたラーメン屋さん、とてもおいしいのですが難点が一つありました。
それは、店が階段で5階にあること。
路面に面した店舗と比べて、非常に不利な状況です。
そこで使ったのが逆転発想です。
5階という分かりずらい場所をあえて「知る人ぞ知る隠れ家的・・・」と、希少性を出し、評判になりました。
3.ゼロベースで考える
「そもそも・・・」と、今まで作り上げられた先入観をあえて壊してから新たに考える方法です。
レコードやCDなどを買うという今まで積み上げられてきたものを一旦忘れ、お客さんのそもそもの目的を「曲を聴く」ということから発生したのが、iTunesなどの曲をダウンロードして購入するというアイデアです。
4.他のビジネスで成功している方法を取り入れる
自分の業種だけでなく、他の業種でうまくいっている手法を取り入れる方法です。
商品のアフターフォローや、気に入らない場合の返金保証など、一部の業界から発生したものが多く広まっています。
意外に身近なところにヒントが隠れています。
5.足したり引いたりする
いろいろな要素を足して一つにする方法、極力余計な要素を省いてシンプルにする方法です。
携帯電話などが分かりやすい例で、あらゆる機能を付けた機種と、通話やメールだけに絞った機種はそれだけで差別化されています。
6.Bird’s-eye
鳥の目のように物ごとを俯瞰してみることによって、新たなアイデアを導き出す手法です。
集中し過ぎたときなどに行うと、新しい発見があることがあります。
さまざまに視点を変える柔軟性を持つことのできる経営者
自分の商品やサービスに自信があるあまり、一方的なメッセージになってしまうことがあります。
しかしそんな時こそ、さまざまな視点から物ごとを見てみることが重要です。
その方法も、6つご紹介しましたがまだまだあるはずです。
まとめ
自分の業界に長くいると、その業界のエキスパートである反面、考え方・物の見方が一方的になりがちです。
時には思い切り俯瞰して見てみましょう。
あなたなりの方法で構いませんので、多様な視点から物事を考えるように意識してみてください。