お客さんを紹介してもらう、紹介営業。
こんなにありがたいことはありません。
特に既存のお客さんかからお客さんを紹介してもらうことは、あなたの商品やサービス、人柄を評価してくれたことに他なりません。
今回は紹介営業のメリットとデメリットについて考えてみます。
紹介営業は営業の神髄
あなたは紹介営業にどのような印象を持っていますか?
私は元世界一のセールスマンである師匠からこう教わりました。
「飛び込み営業が営業の原点」
「紹介営業は営業の神髄」
と。
お客さんを開拓するに当たって、頭と体を使って一軒一軒会っていく飛び込み営業(の精神)が大事である。
その中で、お客さんの求めるものや反応、自分自身の振る舞いを体感を通じて身に着けていく。
そして苦労の結果、お客さんとなってくれた方への感謝と誠意などのを通して『営業とはなにか?』を身に着けることができる。
これこそがその他全ての営業の原点である。
そして、それを通じて学んだことを身に着けたことを実行しお客さんから認められる。
その結果、お客さんがお客さんを連れてきてくれる紹介営業が成り立つ。
そしてそれは営業マン一人では到底作り上げることのできない数字をも生み出すことができる。
これこそが『営業としての目指すべきところ』であるという意味です。
実際、伝説の営業マンと言われる方々は
- 紹介が紹介を呼び、2位以下の全員を足した数以上の契約を一人で上げる
- お客さんの方から勝手に契約書を持ってきてくれる
- 毎月の目標値をお客さんに聞かれ、そこに向かってお客さんががんばってくれる
などの逸話がたくさんあります。
紹介営業のメリット
紹介営業はあなたの商品やサービスを販売するに当たっての大きな武器になります。
神髄と言われるくらいなので、その恩恵は計り知れないのですが、大きく5個のメリットにまとめることができます。
紹介営業のメリット1.成約率が高い
最大のメリットがこれです。
通常の営業は0から信頼を築き上げることが必要です。
そしてそれは『売り込みたい人』と『売り込まれたくない人』の立ち位置から始まることが多く決して簡単ではありません。
対して、紹介営業の場合は見込み客から
『信頼できる○○さんの知り合い』
『○○さんが認めている人、商品・サービス』
という前提で会うため、いくつかのハードルをクリアした状態で会うことになります。
結果、各段に成約率が上がります。
紹介営業のメリット2.価格で比較をされにくい
もしあなたの扱っている商品やサービズがネット上の価格一覧で表示されただけだとしたら、見込み客はあなたと他者を価格で比較します。
なぜならばあなたと他者を比較する要素が価格しかないからです。
しかし紹介営業の場合は、紹介者の評価の前提があり比較要因は価格だけではなくなります。
紹介営業のメリット3.宣伝広告費がかからない
業種業態にもよりますが、見込み顧客獲得するコストは安くありません。
そして年々上がっています。
紹介営業の場合は基本的に紹介者の善意で行われる場合が多いです。
なので、広告費はかからないと考えてよいでしょう。
かかるとすれば紹介者との関係構築にかかる費用です。
しかし、それらを仮に『紹介をもらうためにかかる経費』と考えるとしても、通常の広告費より高くなることはまずないでしょう。
紹介営業のメリット4.最初から先生としてのステータスを持つことができる
ほとんどの場合『○○さんが信頼している(あなた)さん』ということであれば、通常の商談では考えられないくらい大切に扱われます。
この時点であなたのステータスは高いことになり、営業としてはその後のビジネスを進めやすくなります。
紹介営業のメリット5.時間の節約ができる
通常の営業であれば、
- 信頼関係を築く
- 見込み客のヒヤリング
- 自社のことを分かってもらう
- 提案内容を提示
- 提案資料の作成
- 再度アポ
などの、いくつかの段階が必要不可欠です。
しかし紹介営業ではこれらの大部分を紹介者が行ってくれる場合がほとんどです。
結果としてこれは大きな時間短縮となります。
まだまだありますが、紹介営業を分解していくと以上のような大きなメリットがあるのです。
紹介営業のデメリット
紹介営業が営業の神髄ならばメリットばかりでデメリットなどないはず。
しかしそんなことはありません。
紹介営業にもしっかりとデメリットはあるのです。
それらをしっかりと理解しておくことは必要です。
ここでは6個にまとめてみました。
紹介営業のデメリット1.予定が立てることができない
ビジネスには計画があります。
売上目標やそれに伴う客数の増加目標。
これらを計画に基づいて達成していくことが求められます。
しかし紹介営業は紹介者次第の部分が大きくあります。
いつ、どれくらい、どの程度の濃さの紹介がもらえるかは、あなたはほとんど操作はできません。
もちろん紹介をお願いすることは可能です。
しかし、あくまでもお願いであり当然強制力はありません。
また、紹介をお願いする頻度も多過ぎるのは問題です。
紹介が立て続けに出ているときは良いですが、そうでないことも起こり得ます。
紹介営業のデメリット2.必要な時に紹介をもらえるわけではない
『予定が立たない』に似ていますが、基本的に紹介は紹介者まかせです。
経営をしていると予定外の事柄が多く発生し、それに対応を求められることがあります。
『今月あと□□円』の売上が必要だとしても、紹介はそこに合わせてもらえるわけではありません。
紹介営業のデメリット3.お客さんを選べない
紹介者はあなたに対する善意と同時に、紹介先のことを思ってあなたを紹介する場合もあります。
「私がお世話になっている○○(あなた)さんは困りごとを解決できると思うからぜひ会ってみてください」
のような形ですね。
紹介をもらえるのはありがたいですが、逆を返せば必ずきちんと対応をする必要があります。
そこで問題が起こることがあります。
例えば
- 紹介先が遠方である
- コミュニケーションに難がある人である
- あなたのクライアント像ではないタイプの人である
- 『今まで何をやってもダメだった困ったさん』を何とかしてと言われる
- 確かに困っているが支払いができるだけの十分なお金がない
- 手の施しようがないほど末期の人である
などが考えられます。
お金と時間の自由を手に入れるあなたは、お客さんを選ばなくてはいけません。
しかし、『ありがたい紹介』となると、それができなくなってしまう場合があります。
紹介営業のデメリット4.義理で会う
あなたにもあなたの商品にも興味はない。
しかし、
「紹介元の顔を立てるためにとりあえず会いました」
というパターンです。
この場合はお互いにムダな時間になってしまいます。
紹介営業のデメリット5.求められることが大きい
あなたががんばってクライアントに信頼され、結果紹介をもらうことができました。
すると当然紹介元は紹介先にも同等の対応をすることを期待します。
もちろんしっかりとしたサービスを提供することは当たり前のことです。
しかし、あなたが何らかの事情で特別なサービスや価格を提供した場合は、紹介先にもそのクオリティを求められ続ける可能性があります。
紹介営業のデメリット6.一人からの紹介には限界がある
あなたの商品やサービスを必要とする人は限られます。
あなたがターゲットを明確に絞っていればなおさらです。
また、紹介元の知人や友人の数も限りがあります。
さらに「言いやすい」「言いずらい」などもあるわけです。
基本的に紹介はその中から優先順位上位の人から紹介をしていきます。
なので、1人の紹介者の中ではいずれ限界となります。
紹介営業以外の営業法をしっかりと持つ
「お仕事をどうやってもらっているんですか?」
と聞くと先生業の多くは
「紹介が多いですね~」
と言います。
紹介営業は営業の神髄です。
成約率も高く、うまく回れば規格外の成果を出すことが可能です。
ビジネスをうまく回している人は必ずこの紹介営業をうまく活用しています。
しかしあくまで他者の善意に頼るところ大きいため、自分でコントロールできない部分があります。
紹介営業をしっかりと行うと同時に、紹介とは別の方法で自分自身でお客さんを獲得できる方法を持つことが必要です。
これによって、本当の意味で安定した集客が可能であると言えるのです。
まとめ
紹介営業はとても効果の高い営業スタイルです。
たくさんの紹介をもらえるということは、あなたの商品やサービスや人柄がしっかりと評価をされているという証でもあります。
周囲の信頼を得て、力を借りられてこそ経営は成り立ちます。
しかし紹介営業だけに頼った営業スタイルはとても危険です。
紹介をありがたくいただくと同時に、仮に紹介がなかったとしても自力でお客さんを獲得できる力をもってこそ、安定的な経営ができると言えます。