ビジネスをする上で売れる商品やサービスを扱うことは必須事項です。
では、『売れるもの』とはどういうものでしょうか?
当たり前ですがこれは時代によっても大きく変わります。
以前は爆発的に売れていたものが現在では見向きもされなくなった。
そんな商品やサービスもあります。
商品やサービスが発売され、売れる。
そして市場から消えていく。
この流れを製品ライフサイクル(プロダクトライフサイクル)と言います。
Contents
どんな製品ライフサイクル(プロダクトライフサイクル)があるでしょうか?
石炭
以前は主要燃料といえば石炭でした。
最盛期は有名な軍艦島などでも大々的に採掘がおこなわれていましたが、それが時代の流れとともに石油に代わっていきました。
VHSビデオ
ビデオと言えばVHSでした(さらに前にはベータ VS VHSという構図もありましたが)。
レンタルビデオ店にもVHSの商品が並んでいました。
そこにDVDが登場し、2000年にゲーム機プレーステーション2にDVDが見られる機能付きで登場したあたりから一気にDVDが広まり、今ではVHSはほとんど見ることもありません。
最近までVHS再生機の生産は細々と続いていましたが、ついに生産も終了しました。
たまごっち
『たまごっち』というおもちゃが1996年に発売されました。
世界的な大ブームを起こし、アメリカでも『TAMAGOTCHI』としても発売されました。
品薄により1980円の「たまごっち」が、2万円で取引きされ、レアカラーの白いたまごっちには9万円の値段が付きました。
その後、ブームは急速に去り、市場から消えたように見えますが、現在は定番商品として形を変えて販売されています。
製品ライフサイクル(プロダクトライフサイクル)の流れ
このように商品やサービスは開発され、市場に投入されて最終的には市場から消えていくというライフサイクルがあります。
製品ライフサイクル(プロダクトライフサイクル)では製品が誕生してから衰退するまでの流れを4つの段階に分類していきます。
それぞれ詳しく見てみましょう
導入期
新しい製品が市場に出たばかりの時期です。
この時期は製品の認知度はありません。
また、初期投資の影響で売上は低く、競合もあまりいない状況です。
例・任天堂のファミリーコンピューター
1983年に発売しましたが、一部のユーザーから支持されていたものの、まだ充分には世間に知れ渡っていませんでした。
成長期
商品の優位性や知名度が上がっていきます。
流行や口コミの形成により、売上が一気に伸びます。
それと同時に、業界へ新規に参入する企業が増え始めます。
例・任天堂のファミリーコンピュータ
子供たちを中心に広まり、『ファミコン』という呼び名が一般に定着しました。
ハード発売元の任天堂以外の企業もこぞってゲームソフトを開発し出しました。
成熟期
製品と市場の需要がピークに達っする。
それ以上の成長は見込めない段階で売上高もピークから下降を始める。
最も多くの競合企業が市場に存在しており、他社がその製品を超える新しい価値観の商品で、牙城を切り崩そうと試みてくる時期。
例・任天堂のファミリーコンピューター
ブームは頂点を極め、どの会社もゲームソフトを出せば売れる状況です。
よくわからないゲームが量産され、後にクソゲーと呼ばれることになります。
NECのPCエンジン(ファミコンより優れた性能のゲーム機)が登場し、ファミコンで満足できなくなった目の肥えたゲーム好きたちの興味をそそりました。
衰退期
需要と成長余地が減少し、売上げ・利益は低下する。
新規投資もほとんど行われない。
例・任天堂のファミリーコンピューター
他社より、ファミリーコンピューター以外の続々と新しい技術のゲーム機が登場しました。
それらに市場を奪われ、ソフト開発本数が減少し、徐々に市場から消えていきました。
製品ライフサイクル(プロダクトライフサイクル)を踏まえ、あなたの会社はどう戦うべきか?
製品ライフサイクル(プロダクトライフサイクル)はどの製品にも当てはまります。
あなたが扱っている商品が製品ライフサイクル(プロダクトライフサイクル)のどこにあてはまるのか?
この先はどうなるのか?
を予想することができると同時に、対策を練ることもできるのです。
では、製品ライフサイクル(プロダクトライフサイクル)4つの段階でどのような対策をする必要があるかを見ていきましょう。
導入期の動き
消費者に商品の存在とその効果を知らせる啓蒙活動が有効です。
市場の拡大を目的としたマーケティング活動を行うことにより、お客さんは徐々に製品に興味を抱き、効果知っていきます。
成長期の動き
自社製品の優位性や特徴をアピールし、自社ブランドの確立をはかります。
シェア拡大を目的にマーケティング戦略を行っていきます。
成熟期の動き
有力企業は、サービスや価格などの実利的手段を使い、地位の確保試を行います。
その他の企業では、自社が生き残りかけた熾烈な戦いになります。
衰退期の動き
市場の縮小に伴い、効率よく撤退業務縮小を行います。
製品ライフサイクル(プロダクトライフサイクル)をとらえた経営
DVDが普通に流通している現代に真正面からVHSを販売しても売れることはありません。
このようにその商品やサービスの製品ライフサイクル(プロダクトライフサイクル)によって、取るべき手段が変わってきます。
経営者であるあなたはしっかりと製品ライフサイクル(プロダクトライフサイクル)を見極めて、適切な参入方法をとる必要がありますし、場合によっては「参入をしない」という判断をする必要性があるのです。
しかし現在、あらためてレコードが売上を伸ばしているように、戦略的なマーケティングによって販売を可能にすることはできます。
製品ライフサイクル(プロダクトライフサイクル)の外
- 任天堂から小型版初代ファミコン、初代スーパーファミコンが発売されて爆発的に売れています。
- CD再生機の現代でも、レコードは一部のマニアから一定数需要があります。
- デジカメではなく、フィルムを使った「写ルンです」の売り上げが伸びています。
- 同様にカセットテープの需要が上がってきています。
このように、衰退期を過ぎた後でも一定数の需要のある商品やサービスとういうものは存在します。
これらの多くは「懐かしい」という感情を喚起させる一時的な再ブームの場合が多くあります。
また、「定番品」として残るものもありますが、そこまで残れるものはそう多くはありません。
まとめ
商品やサービスには製品ライフサイクル(プロダクトライフサイクル)が存在します。
扱っている商品や、これから参入していく業界の導入期、成長期、成熟期、衰退期のどこにあるのか?
経営者はそれを冷静に見極めて、戦略戦術立てていく必要があります。
あなたも自分の業界、商品、サービスについて見直してみてください。