「ここ数カ月、休みはないんです・・・」
「毎日、終電間際に帰っています・・・・」
「手帳は真っ黒です・・・」
小規模事業者や個人経営の社長は、本当に多忙な方が多くいます。
これで、体を壊さないのかと心配になるときもありますが、根本的に仕事が好きな方が多いので、あまり気にされていない方もいらっしゃるようです。
しかしそんな状態が長く続くと「がんばっても時間が足りない」ところまで陥ってしまいます。
社長は一体、何時間働けばよいのでしょうか?
今日はそんなことについて考えてみましょう。
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仕事と時間に追われる社長の特徴
仕事と時間に追われている社長には分かりやすい共通点があります。
それは、
社長の仕事以外のことをやっている
と言うことです。
仕事には種類があります。
それは
- 特定の人しかできない仕事
- 誰でもできる仕事
です。
もちろん重要なのは『特定の人しかできない仕事』ですが、これもあなたの視点からみれば
- あなた(社長)にしかできない仕事
- 他の役割の人ができる仕事
に分かれるのです。
仕事と時間に追われている社長のほとんどはこの『他の役割の人ができる仕事』を社長がやってしまっています。
その最たる例が営業です。
社長自身がそこでも社内で一番成果を出し、さらにその上に自分しかできない仕事をプラスしているのです。
これで仕事と時間に追われないわけがありません。
私の知る社長さんは、平均しておおよそ15時間くらいの仕事をされています。
社長の仕事をしているのは何時間?
「忙しい社長さんの特徴は、自分がトップで従業員さんの仕事もしている」
「そしてそれにプラスして、(少しだけ)自分しかできない仕事をしている」
通常、この『社長しかできない仕事』が本来の社長の仕事であり、最重要なはずです。
どんなに長時間仕事をしていたとしても、この『社長しかできない仕事』をしている時間が充分でなければ会社は上手く進んでいかないはずです。
では、仮に1日15時間仕事をしているとして、本当の『社長しかできない仕事』をしている時間はどれくらいなのでしょうか?
働いている時間の1/3しか生産性のある仕事をできない
156種類の業種のビジネスを革命的に成長させてきたマーケティング界の大物、ダン・ケネディは、
「労働時間のうち、生産性のある仕事をしている時間は1/3である」と言っています。
仮に8時間労働だとしても、8時間ずーっと集中できているわけではありません。
例えば、書類を探している時間、たまったメールを返している時間など、シビアに見ていくと生産的な時間はそれしかないということです。
時間の使い方を考える
先ほどの社長。
1日15時間仕事をしているとしたら、そのうち生産的な仕事ができる時間は5時間です。
8時間仕事をしているとしたら、2.6時間しかありません。
30日仕事をしいても、実質は10日なのです。
ここからは各々格差はありますが、仕事をしている時間が1日15時間だとして、営業活動などに時間を割き、本来の『社長しかできない仕事』が3時間だとしましょう。
すると、実際に生産性のある社長の仕事を行えている時間は1日1時間ということになってしまうのです!
この1/3という割合を変えましょうと言っているのではありません。
1/3しかないのですから、その限られた時間を社長として、可能な限り生産性のある社長の仕事に使いましょうと言うことです。
社長の仕事って?
では、社長の仕事って何でしょうか?
会社の規模や創業年数や、状況によって多少変わってくるので一概には言えませんが
- 会社の理念やビジョンの構築と浸透
- 会社を潰さないこと
- 従業員がいれば従業員教育
- マネジメント
- 従業員のとその家族を守ること
・・・、いろいろ言われます。
しかし、まず小規模事業者や個人経営者の最重要な仕事は、新規顧客の獲得・マーケティングであると考えます。
そこにつながる社長の仕事をしましょうと言うことです。
社長の仕事をしましょう
あなたの会社で、あなた(社長)の仕事は何ですか?
それはあなたの会社で、あなたがやるべき仕事であり、あなたしかできない仕事です。
つまり、経営においては最重要となる仕事であるはずなのです。
それを明確にして、それ以外は社員に振りましょう。
任せられる人材がいないのであれば、任せられる形を作るのがあなたの重要な仕事ではないですか?
一人経営であるなら、外注を使うという選択肢もあります。
あなたが社長の仕事以外に時間と労力を使う暇などないのです。
最大限の工夫をして1日の大切な時間を社長として生産性のある仕事に使うようにしてください。
それこそが、会社が中長期的に発展するための土台になっていくはずです。
まとめ
「忙しい、忙しい・・・」
「時間がない・・・」
という状況であるならば、一度、仕事の整理をしてみる事が必要です。
『社長は何時間仕事をするべきか?』
この問いは正しくありません。
正しくは
『何時間社長の仕事をするべきか?』
であるべきです。
もちろん社長の仕事は時間や数値では表しきれないものも多くあります。
しかし、まず目指すべきは社長として生産性のある仕事に最大限の時間と労力を注げる環境を作るということです。