地方の街に行くと、以前は華やいでいたであろう商店街が、外部環境の変化により、軒並みシャッター通りになっているところを見かけることがあります。
そのような街は、過去の華やかさをどことなく漂わせており、もの悲しく感じます。
これらの原因は本当に外部環境の変化なのでしょうか?
今日はビジネスに影響を及ぼす外部環境について考えてみます。
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外部環境の変化によって苦しむ経営者
先日、経営者の方とお話をしていました。
その方は、長年続く会社の社長さんで、主に印刷業を営んでいます。
近年、印刷業界は大変厳しい状況です。
その主な原因としては、
- ペーパーレス化が進んだ
- パソコンなどで自分でプリントができるようになった
- 大手の価格破壊
などです。
それ以外にも経営者とのお話でも
- 大企業が進出してきた
- 近くに大型店が出店した
- 消費者が買い控えをしている
- 昔ほど需要が見込めない
- (場所柄)あまりお客さんになる人がいない
- もっと景気がよくなれば・・
- Amazonが・・・
などライバル・大企業・お客さんとニーズの変化・時代の変化など外部環境を含めたマイナスな話を聞くこともあります。
ビジネスにおいて外部環境が変わることは「悪い」のか?
「近くに大型店が進出してきた」
これは、外部環境が悪いのでしょうか?
「昨年に比べて景気が悪化している」
これは外部環境が悪いのでしょうか?
↑あくまで、あなたがビジネスをする上で「悪い」か?という意味ですよ。
例えば、近所に大型店がドーン!と進出してきたとします。
これは外部環境の変化です。
外部環境が悪くなったわけではない
大型店などが出店をすると多くのお客さんがそちらへ押し寄せまます。
あなたの会社の既存のお客さんのうち何%かはそちらに流れていくでしょう。
しかしある調査によると、大型店に関して一定数の人が不便さを訴えています。
それは
- 休日に駐車場に入るだけで大渋滞
- 店内が大きすぎて、何がどこにあるか分からない
- ちょとしたものを買うだけで時間がかかる
などです。
さて、彼らに何か提供できないでしょうか?
また車などは、景気が悪くなると当然売れなくなります。
しかし、逆に修理業などは売上が上がる場合が多くあります。
この場合の『状況が悪くなった』は、ある特定の方向から見た話なのです。
別の方向から見れば良くなっているとも捉えられるのです。
つまり、外部環境が『悪くなった』のではなく『変化した』のです。
それに対応できない人が「悪くなった」と言うのです。
外部環境が悪いと言う人は変化できない人
現在、あらゆる動物の中で人間が地球を支配していると言っていいでしょう。
しかし、人間は他の動物に比べて強かったから勝ち残ったわけではありません。
強いものが勝ち残るのであれば、恐竜などが勝ち残っているはずです。
人間が価値に残った最大の理由は、外部環境の変化に対応したからです。
人間は頭を使い、工夫して環境や状況の変化に対応したから今があるのです。
反面、氷河期に対応できなかった恐竜は絶滅したのです。
話が大きくなりましたが、ビジネスも同様です。
外部環境の変化に対して、既存の方向から見れば「状況や外部環境が悪くなった」と言えるかもしれません。
しかし、それ以外の方向からみれば「悪い」ばかりではないこともあります。
なぜならばどんなに不景気だと言われても、どんなに競合ライバルが進出しても必ず繁盛しているビジネスはあるからです。
状況や外部環境が変わったのであれば、それに合わせて変化していく必要があるのです。
強くても変化に対応できなければ、負けてしまいます。
強いから勝ち残れるというわけではありません。
状況や外部環境に合わせて、変化した者が勝ち残っていくのです。
シャッター通りの理由
地方のシャッター通り。
多くのお店が、ビジネスを辞め閉めてしまうのはなぜでしょうか?
答えは「諦めた」からです。
状況や外部環境の変化に対応して、変化することを諦めたからです。
シャッターが閉まっている原因は状況や外部環境の変化ではありません。
それに対しての『諦め』が原因なのです。
外部環境の変化に対応するには
人は今までのやり方を変えるのを嫌います。
変化を恐れます。
しかしビジネスでは変わっていく外部環境に合わせて変化をしていける柔軟な頭と発想と、そして選択肢を豊富にする知識が必要です。
人はうまくいっている時ほど、新しい知識を入れなくなります。
そんな時こそ、色眼鏡なしに新たな考え方を受け入れられる経営者でありたいものです。
まとめ
時代が変わっていくのを止めることはできません。
同じく、ビジネスにおいても外部環境の変化を止めることは不可能です。
ビジネスはもともと外部環境に合わせ変化していくものなのです。
その外部環境の変化自体を悪だと捉えていたら、変化に対応することはできません。
たまたま自身のビジネスに合った外部環境の変化を心待ちにするような受け身の経営者ではなく、外部環境を読み自身のビジネスをそこに対応させていける経営者で在りたいものです。