経営者の方とお話していると、自社製品やサービスに絶対の自信を持っている方が多くいます。
「今までになかったものです!」
「今後の○○には絶対に必要なものです!」
「他と比較してとても経済的です!」
「徹底的にサポートします!」
とても画期的で良い物なのでしょう。
しかしその『画期的で圧倒的に良い物』が思うように売れないという悩みを抱えている経営者がたくさんいます。
その原因は何なのでしょうか?
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良い物なのに売れないという苦悩
「ライバル会社より、うちの商品のほうが絶対に良いのに!」
「一度使ってもらえさえすれば気に入ってもらえるのに!」
「圧倒的に効果があるのに!」
「普通に判断すれば確実にこちらを選ぶと思われるはずなのに!」
「一生懸命やるのに!」
ここまでの良い物が、
なぜ売れないのでしょうか?
なぜ使ってもらえないのでしょうか?
なぜ他社に負けてしまうのでしょうか?
せっかく苦労をして作った良い物であればあるほど、経営者の悩みは大きくなります。
「これ以上どうしろと言うのか?」
さてこのようになる原因は何なのでしょうか?
良い物だから売れたのは過去の話
「地道に良いものを作っていれば売れる」
あまり自己主張をせず商売っ気を出さずに自分の仕事にやりがいと価値を感じて働く日本人は根底にこの考えがある方が多いようです。
同様にこのような考えを持って経営をしている経営者も多くいます。
しかし、この考え方が通用していたのは過去の話です。
昭和の経済が猛烈に成長しているころ、人々の給料が年々上がり、生活必需品もたくさん開発がされました。
当時のお客さんの心理状は、新しい物、画期的な物、便利な物を「欲しい」という状態です。
その一つの商品に対してのライバルも圧倒的に少なく、さらにネットなどもありませんので消費者が得られる情報もごくわずかであり、比較をされることも少なかったのです。
選択肢がなかったことによって、「良い」と思ったものを購入するまでに壁が多くありませんでした。
現代はどうなっているのか?
対して現代はどうでしょうか?
すでにほとんどの家庭で生活必需品は揃っています。
昔の『テレビ』や『洗濯機』という、分かりやすく生活を一変させるような超革新的な商品は生まれにくくなっています。
そんな中、「これほしい!」と思わせるのは簡単ではありません。
そしてその合間を縫って発売された一つの商品に対しても、国内外のライバルが多数存在し、各々が強烈にアピール合戦をします。
そしてそれらの商品はネットを使うことによって、一瞬で最安値検索などができてしまいます。
これらの状況下で、お客さんに自社商品を見つけてもらうこと、見つけてもらった後に選択してもらうことのハードルはとてつもなく高いと言えるのです。
良い物が選択されない理由
「競合が多いなどの様々な理由があってもお客さんが比較をすれば、その中でも最も良いものが選ばれるはず」
ここに大きな勘違いがありまます。
お客さんは良い物を選びません。
どういうことでしょうか?
例えばあなたが美容室に行きたいとします。
もちろんできるだけ良い美容室に行きたいと考えるはずです。
(今回は何が良いかはあえて掘り下げません)
ではどうすれば良い美容室に行くことができるでしょうか??
- 友人の口コミ
- インターネットでの検索
などが一般的です。
しかし、そのどの手段を使って探したとしても、
実際に行ってみて初めて良さが分かるのです。
もう少し詳しく話しますね。
例えば友人から
「○○美容室はすごく良いよ~」
と言われたら、
また、インターネットで
「○○美容室はとっても良かった!」
という書き込みを見つけたら、あなたはこう思うはずです。
○○美容室は「良さそうだな」と。
ここで重要なのは、いろいろな情報を得て、
あなたはこの美容室が「良さそう」だから選択したのです。
あくまでも「良さそう」なのです。
実際に「良い」と判断できるのは、行ったあとであるということです。
もちろんこれは美容室に限らず、全ての業界で同じです。
あなたの会社がどんなに「良い物」を提供していたとしても、お客さんが「良さそう」と思わなければ売れないのです。
そしてお客さんは「良い物」ではなく、「良さそう」な物を購入するのです。
良い物も伝えなければ伝わらない
良い物であることを分かってもらいたければ、「良さそう」と思ってもらう必要があります。
その「良さそう」な商品やサービスに触れてもらった後に、ようやく商品のすばらしさや良さが伝わり良い物であると判断されます。
では、どうやってお客さんに「良さそう」と思ってもらうのでしょうか?
必要なのは『伝える』ということです。
「これは良いですよ」と伝えることは絶対に必要なのです。
黙って良い物を作り続けていればいつかは分かってくれるというような日本人のまじめで謙虚な考え方は美しいかもしれませんが、それだけで伝わることはほぼありません。
何かの拍子でそれが伝わることも極まれにありますが、そんな可能性を期待するようなものはビジネスとして成立しません。
良い物であるという真実を伝える
あなたの商品やサービスが良い物であればあるほどしっかりと伝えていかなければいけません。
しかし、勘違いしないでほしいのは伝えるべきことを伝えるのであって、嘘を伝えたらそれは詐欺です。
『良い物』であることが大前提です。
あなたもきっとお客さんのためになるとても良い物を自信を持って扱っているはずです。
それを余すことなくしっかりと伝えてください。
まとめ
「良い物であればお客さんは分かってくれる」
理想的ではありますが、現実はそんなことはありません。
商品・サービスの存在に気が付いてもらう
↓
良さそうと思う
↓
使ってみる
↓
良い物であるという結論
この流れがあります。
良さそうと思ってもらうために、しっかりと伝えることを怠ってはいけません。