「お客さんがほしいのは商品ではありません。ベネフィットなのです!」
マーケティングという言葉が浸透してくるにつれて、【ベネフィット】という言葉が使われるようになりました。
しかしその言葉の意味を正しく捉えていない人が結構多いのです。
ここで言う【ベネフィット】とはどういう意味なのでしょうか?
Contents
何となくわかった気になってしまうカタカナ言葉
日本人がヨーロッパや他の国より英語が話せない率が高い原因を知っていますか?
昔、多くの国では英語の文献は英語で学ぶしかありませんでした。
英語の専門用語に代わる母国語もない状況で、結果として英語で学ぶしかなかったのです。
対して日本では、西洋から入ってきた学術書や文献を昔の日本人が一つひとつ、英語に当てはまる日本語を作り、日本語のみで学べる状況を作り上げたのです。
結果として、あまり英語を覚える必要性がありませんでした。
しかし、現代では多くの新しい英語のカタカナ言葉が入ってきます。
さらに、今まで日本語で事足りていた言葉まであえて英語でいうような風潮もあります。
それが良いか悪いかは置いておきますが、その英語のカタカナ言葉の意味合いをしっかりと理解できているかは疑問な部分があります。
そもそもベネフィットとはどういう意味?
冒頭の話に戻りますが、
「お客さんがほしいのは商品ではありません。ベネフィットなのです!」
しかし経営者とお話をしていると、この【ベネフィット】とはがぼんやりしている場合があります。
特に多いのが、ベネフィットとは
「商品の性能説明ではなくてお客さんに与えるメリット」
だというイメージで捉えている人です。
これは違いますが、良くある勘違いです。
そもそもベネフィット(Benefit)とはどういう意味かを確認しましょう。
ベネフィット 【benefit】
①利益。恩恵。
②時間の短縮や作業の軽減など,その商品を使用することで得られる利便性や満足感。
③慈善のための催し。 「 --コンサート」 「 --マッチ」三省堂 大辞林
とあります。
何だか分かるような分からないような・・・。
マーケティングにおけるベネフィットとは
ここを明確にしないとずっと間違え続けてしまうので、順を追って解説していきましょう。
あなたはゴルフショップの店員さんです。
お客さんがドライバーを見ています。
そこであなたが接客をします。
商品性能に関する話
「このドライバーはおススメですよ!素材はチタンを使い、高圧で圧縮し、スイートエリアが広くなっています」
あなたはいかにこの商品が素晴らしいか、最先端の技術を持ってお客さんをサポートするかを語ります。
商品を使うことによって得られるメリット
「今よりプラス〇〇ヤード飛びますよ!」
「今より良いスコアを出すことができますよ!」
あなたはその素晴らしい性能の商品を使うことによって、お客さんが得られることを具体的に伝えています。
商品の性能を活かすことによって得られるメリットを具体的に伝えられることによって、何となく欲しい気持ちが湧いてくる気がします。
が・・・・・・、不十分です!!
何でそのメリットが欲しいのかがマーケティングのベネフィット
ゴルフで
- 飛距離を今よりプラス〇〇ヤード伸ばす
- 今よりスコアを上げる
確かに魅力的に感じます。
しかし、考えるべきはこのお客さんが
「なぜ、飛距離を伸ばしたいのか?」
「なぜ、スコアを上げたいのか?」
なのです。
誰もが学生時代にテストで良い点を取りたかったはずです。
しかし、良い点を取っても全く何も良いことがなかったら、良い点を取りたいとも思わないはずです。
良い点を取りたい理由は
- 良い学校に入りたい
- 留年したくない
- 親に怒られたくない
- 周囲からバカなヤツと思われたくない
- 皆から羨望の目で見られたい
などの理由があるから、「良い点を取りたい」のです。
このお客さんも飛距離を伸ばしたい理由、スコアを上げたい理由があるのです。
それはどんなことが考えられるでしょうか?
- 一緒に行っている女性に「カッコいい」と思われたい
- ゴルフ仲間の社長連中に自慢したい
などでしょうか??
お気づきですか?
ベネフィットとは多くの場合は感情です。
お客さんはこの感情を得るためにゴルフクラブを購入するのです。
マーケティングにおけるベネフィットとは人によって変わる
「一緒に行っている女性に「カッコいい」と思われたい」と思っているお客さんにこのクラブを使うことによって、その夢が叶うと知ったら、購入してくれる確率は格段に高まります。
なぜならばこのお客さんにとっては正にこのベネフィットが欲しいのですから。
しかしこのお客さんに「ゴルフ仲間の社長連中に自慢できる」と伝えても、それはこのお客さんの欲しいベネフィットではありませんので、あまり響かないでしょう。
そもそも社長連中とゴルフに行かない可能性もあります。
ここで気が付いて欲しいのは、商品性能やメリットは基本的に変わりません。
しかし、ベネフィットとはお客さんが何を求めているかで変わるということです。
つまりそのお客さんの目的が分からないとベネフィットは提供できないのです。
目的が不明確な状況で提供できるのは、商品性能とメリットのみです。
お客さんの目的を知る
お客さんが何の目的を持っているのかを知りましょう。
どうやって知るのか?
聞くということです。
その人のバックグラウンド、家族構成、仕事、役職など情報を得れば得るほど、目的が見えてきます。
営業で「お客さんの話を聞くのが大切」と言われる理由もここにあります。
そしてできるだけたくさんの情報の中から、お客さんいピッタリなベネフィットを伝えるのです。
まとめ
商品性能・メリット・ベネフィット
商品説明は良いとして、多くの人はメリットをベネフィットと勘違いしている経営者がとても多いです。
あなたのお客さんがあなたの商品やサービスを使って、どんな感情になりたいのかをしっかりと掴みましょう。