先日、開業したばかりの社労士さんとお会いしました。
やる気に満ち溢れており、顧客開拓のために毎日飛び込み営業をされているとのことでした。
しかし苦労の割に、思うような成果は上がっていないようでした。
飛び込み営業といえば1日〇件とノルマを決めて、足を棒にして手当たり次第に訪問していくという、根性努力の営業スタイルで、どちらかというと一昔前のスタイルの印象があります。
以前は結構行われていたようですが、今はあまり聞きません。
さて、この飛び込み営業は現代でも有効なのでしょうか?
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飛び込み営業のメリット
「飛び込み営業は営業マンの原点である」
これは世界的トップセールスマンである私の師匠が常々言っていた言葉です。
営業にはいくつかの形があり、飛び込み営業はその中の1つです。
特別なスキルや能力なくても気持ちがあれば予算をかけずにとりあえず始めることが可能なので、まず営業というこの飛び込みをイメージする(実際に行うかは別)方が多いのです。
私が前述の師匠に仕えて最初にやらされたのが飛び込み営業でした。
断られるのが当たり前。
あからさまに嫌な顔をされ、場合によっては汚い言葉も投げかけられる。
相手に迷惑をかけているような罪悪感も持ってしまいます。
そこで勇気と知恵を絞り、相手の気持ちを汲み、苦労の末に1件話を聞いてもらえる・・・。
この経験をしたからこそ、お客さんに話を聞いてもらえることのありがたさや、お金を稼ぐことの厳しさなどを実感しました。
だからこれが営業の原点だと言えるのです。
これを体験できるという点は大きなメリットであると言えます。
ちなみに師匠は私にこの体験をさせるために飛び込み営業をさせていたのです。
成果を出させるためではなかったのです。
飛び込み営業の一番大きなデメリット
先ほどのようなメリットは長期的に見れば魅力的かもしれませんが、それ以上にデメリットが多くある場合が多くあります。
デメリットが多く見えるので、比較的飛び込み営業が敬遠されるのでしょう。
例えば
- 効率が良くない
- 計算ができない(予定が立てられない)
- 印象が良くない(売るのに必死に見える)
- 疲れる
- 現代では他の営業手段が山ほどある
- 精神的にキツイ
・・・などでしょうか。
しかし飛び込み営業の一番大きなデメリットはこれ意外なところにあるのです。
それは
あなたの立ち位置がお客さんの下になってしまう
ということなのです。
あなたはコンサルタントです
商品を売って売上をあげる。
これだけを目的とするのであれば、どんな手段を使っても売れさえすればいいのです。
しかしその後のリピート性や他社との差別化をはかるためには、他社と同じような商品をただ売っているだけではダメな時代です。
どんな商品でもどんなサービスでもお客さんを良くするためにあるはずです。
あなたの商品やサービスもそうであるはずです。
つまり、商売をしているということはその商品やサービスを使って相手を良くするコンサルティングをしているということなのです。
お願い営業をするとお客さんに指示できない
あなたの商品やサービスを使ってお客さんを良くする方法を知っているのはあなたです。
お客さんではありません。
なのであなたは専門家の立場でお客さんにアドバイスをするのです。
場合によってはお客さんに対して意見を強く言わなくてはいけません。
そして行動してもらう必要があることもあるのです。
(もちろん謙虚さを持ってであり、行動してもらう以上、責任はあります)
そのためにあなたの立ち位置がお客さんより下ではいけないです。
飛び込みをして、お願いをして仕事をもらった場合にはこれができにくくなってしまうのです。
あなたの仕事はお客さんに良くなってもらうこと
あなたの扱っている商品やサービスは、お客さんに良くなってもらえるもののはずです。
そしてあなた自身も、売上さえ上がればあとはどうでもいいと思っているわけでもないと思います。
なので、販売後のお付き合いの中でお客さんに成果を出してもらう必要があります。
そのためには、あなたとお客さんとの関係性が大切です。
決してただの御用聞き営業ではダメなのです。
飛び込み営業によってお願い営業になってしまうのであれば、あまりお勧めはできません。
コンサルタントや士業の方などは特にです。
もし飛び込み営業をやるのであれば
前述のように新入社員などに営業に大切な要素を伝えるという目的であれば有効かもしれません。
ただ、断られ続けることは彼らの大きなストレスとなります。
しっかりとしたケアが必要です。
しかもこの場合の経営者は売上を期待するべきではありません。
まとめ
お客さんに成果を出させる必要のある先生業は、専門分野でのステータスをしっかりと保つ必要があります。
その点から、お願い要素の強い飛び込み営業は得策ではないと言えます。
もしも「飛び込み営業以外の策がない」というのであれば、あなたのビジネスそのものから見つめなおす必要があるかもしれません。
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