「マーケティングは難しい」
このような印象を持たれている経営者は多くいます。
その問題に応えるかのように『簡単な方法』を謳うマーケティングの広告が溢れています。
これらは本当に効果があるのでしょうか?
そもそもマーケティングに『簡単な方法』はあるのか?
今回はそんなお話について考えていきましょう。
Contents
簡単なマーケティング方法のはずが・・・
「誰でも簡単な方法で集客ができます」
「最新の○○を使った方法で誰でも・・・」
「1日10分の作業で簡単に・・・」
集客やマーケティングではこのような言葉を使った方法をよく見ます。
マーケティングが課題の経営者にとっては大変魅力的です。
そしてこれらは次から次へと新たな方法が出てきます。
しかし、「簡単と言われている○○や□□などをやってみたけど成果が出ませんでした」と言う方は多くいるのが現状です。
人は楽な方法を選択するのは当然のこと
駅で、上階のプラットホームに行くための方法が2つあります。
- 階段
- エスカレーター
あなたはどちらを選びますか?
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階段を選んだあなた、すばらしい!
運動不足解消を狙っていますね?
日ごろから特に運動不足解消などを心がけている人以外(普通の人)は、基本的にエスカレーターを選ぶはずです。
なぜか?
エスカレーターを使うほうが楽だからです。
特に目的がなければ人は楽な方法を選ぶのは当然です。
大変な方法→簡単な方法がビジネスの基本
つまり、大変なものを楽にする方法を提供すれば人(お客さん)はそちらを選択するのです。
昔は洗濯をするときに、服を一枚一枚根気よく洗濯板でゴシゴシこするという方法をとっていました。
そこに洗濯機が登場し、一気に簡単になりました。
数字を頭で計算していたものがそろばんになりました。
そしてさらに自動で簡単に計算する電卓が登場しました。
夜の明かりは油を入れたランプに火を灯していたものでしたが、電球で明るくすることができるようになりました。
このようにほとんどのビジネスは、お客さんの抱えている大変に対して、簡単・楽な方法を提供することで成り立っています。
※フィットネスジムなどのように特殊な目的があるものはあえて不便を売っています。
基本的に根気よく取り組むのが苦手
ぶら下がり健康器・紅茶きのこ・りんご・こんにゃく・寒天・黒酢・豆乳クッキー・炭水化物抜き・キャベツ・朝バナナ・夜トマト・タニタ食堂・ヨーグルト・ビリーズブートキャンプ・バランスボール・コアリズム・プチ断食・糖質オフ・グリーンスムージー・塩麹・ココナッツオイル・酵素・カーヴィーダンス・・・・
みなさんもいくつかは聞いたことがあるかと思います。
今までに流行した簡単ダイエットの方法です。
これらのダイエットは「簡単・楽な方法で痩せられますよ~」と人々に(暗に)訴えかけます。
それがテレビなどで紹介されると、瞬く間にブームとなります。
食べ物系だとスーパーなどで品切れが続出してしまいます。
そしてしばらくするとそのブームが去ります。
すると次の方法を使ったダイエットにブームがやってきて、消費者はそれに飛びつくのです。
このサイクルをずっと繰り返しています。
しかし考えてください。
この中のどれかしらかの方法で簡単に成果が出ていたら、次の方法に飛びつく必要はありません。
つまり多くの人が思うような成果につながっていないということなのです。
または、成果は出るものの「思ったよりも大変」という場合もあります。
多くの消費者の思考は「次の○○という方法なら、楽をして簡単に成果が出るかもしれない」と期待をして、次から次へと手を出していくのです。
逆に成果が出たという方は、どの方法を選択したとしても根気よく続けるなどの努力をしている場合がほとんどなのです。
継続するマーケティング方法
ダイエット程度であれば笑い話になります。
しかし、困ったことにマーケティングでもこのような形で行っているところが多くあるのです。
どこかの偉い経営者が「Aというマーケティング方法を取り入れた」と聞けばすぐに取り入れる。
しかし知人の社長からBというマーケティング方法を勧められれば、すぐさまBを導入してAは放置・・・。
さらにBもそこそこに、今度は何かのきっかけでCの方法を・・・・。
結果「いろいろ試したけどどれも全然ダメだった」となるのです。
なるべく簡単・楽な方法に成果が出したい気持ちも分かります。
成果を出すのに即効性が欲しいのも分かります。
しかしマーケティングにおいては一時的な成果はともかく、しっかりとした根拠のある成果を出すにはある程度の時間と根気が必要です。
これはビジネス全般に言えることです。
みんなそれを分かっていながらやはり『楽に・簡単に・早く』を謳う方法にひかれてしまうのです。
もちろん新しい価値観や、情報にアンテナを立てて取り入れる柔軟さは必要です。
しかしその中において
- 数ある方法の中から本物を見極める
- 選択をしたものを組み合わせ自社のシステムに落とし込む
- 微調整の繰り返す
- 成果が出るまで行う
というということを根気よく行わなくてはいけないのです。
成功者とは正しい方法をうまくいくまで、根気よく行い続けた人のことなのです。
マーケティングに簡単な方法はないが簡単にしていくことはできる
では、マーケティングはずっと大変な思いをしていかなくてはならないでしょうか?
これはNOです。
たしかにマーケティングにおいて最初から楽な方法はほぼありません。
しかし、その壁を乗り越え成果が出たときにはそれなりのコツを掴めるはずなのです。
そこでそれらを分業化したりマニュアル化したりとある程度簡単にしていくことは可能なのです。
まとめ
簡単にお客さんが集まれば、経営者にとってこんなに嬉しいことはありません。
1日5分簡単な単純作業だけで成果が出れば素晴らしいです。
次から次へと現れる最新のマーケティング方法(と称するもの)は甘い言葉を投げかけてきます。
しかし、そんなことはほぼないとしっかり理解してください。
どのような方法でも、ある程度根付くまでは手間や根気が必要です。
その努力を頑張って積み重ねた結果、その後は楽に簡単に進めていくことは可能です。
安易に簡単な方向へ飛びつかないように注意しましょう。