マーケティングを行う際には
いかにたくさんの人に知ってもらうか?
いかにたくさんの人に気に入ってもらうか?
いかにたくさんの人に申し込んでもらうか?
に知恵を絞ります。
それらのことを戦略的に行う場合は当然、人の本質や心理にもとづいたものである必要があります。
今日は、その中でもとても強力な返報性の原理についてお話をします。
Contents
何か感じませんか?
例えば靴屋さんに行って、少し気に入った靴を見つけたとします。
そこに店員さんがやってきて、丁寧な説明とあなたに合うと思われるサイズの靴を、バックヤードからいくつか持ってきました。
さらに、その靴の色違いの靴なども準備をしてくれて、あなたが試し履きをするためにいろいろと動いてくれました。
試し履きをした結果、「欲しい」とは思ったものの値段的に「ほんの少しだけ高いな~」と感じました。
試し履き後に店員さんはニコニコしてあなたを見ていまます。
さて、買わずにそのお店を出ることができますか(笑)?
もし、お店を買わずに出たとしても、何も感じずにいられますか(笑)?
返報性の原理とは
返報性の原理とは、簡単に言うと何かをしてもらったら、お返しをしたくなることです。
この場合は、店員さんが『自分の試し履きのために、いろいろと気を使って動いてくれた』ということです。
それがあるので、何かのお返しをしないままお店を出ることに抵抗が生じるのです。
そして当然、この場合の『お返し』とは『靴の購入』です。
もしかしたら返報性の原理のまま、この状況に負けて靴を購入してしまう人もいるのではないでしょうか?
もちろん、全員が毎回購入するわけではありません。
しかし、購入せずにその場を離れるのに心理的抵抗が大きくなるのです。
人間は集団で生活する生き物ですので、コミュニティーを大切にしてきました。
なので、返報性の原理は本能に近い動きであり、とても強力であると言われています。
返報性の原理をビジネスに活用した例
返報性の原理をビジネスに活用した他のパターンを見てみましょう。
お試し無料サンプルプレゼント
聞いたことありますよね?
これも、サンプルで商品の良さや効果を実感してもらうということと同時に、先にこちらからサンプルをあげるということで、お客さんの返報性の原理に働きかけているのです。
スーパーマーケットでの試食販売なども同じ効果があり、試食を食べた人の多くが『購入』というお返しをします。
話を聞いた営業マンが非常に親切丁寧に対応してくれた。
サンプルなどの『物』ではないですが、親切をされた場合も返報性の原理がはたらきます。
先の靴屋さんの話も、店員さんが「親切に動いてくれた」と言う点ではこれと同様です。
アフターケアが非常に良かった。
買った商品の修理などがとても丁寧だった。
商品やサービスを買ったあとにも気にかけて連絡をしてきてくれた。
通販で商品を買ったら、手書きのお礼状が入っていた。
など、このようなサービスを先に与えることにより返報性の原理がはたらき、お客さんの心理として「次もここで買おうかな」と思うのです。
先生業も返報性の原理を使いましょう!
資格やノウハウ、サービスでビジネスをして入り先生業も返報性の原理を活用する必要があります。
しかし、具体的な商品がないので『無料サンプル』を渡すことなどはできません。
では、何を渡せば良いのでしょうか?
先生業が返報性の原理を使い、お客さんに先に渡すもの。
それは『情報』です。
具体的な商品がなくても、あなたの業界に関してのお客さんにとって有益な情報を渡すことは可能です。
お客さんにその情報を渡すことによって返報性の原理に訴えます。
お客さんに渡すものが情報である場合の大きなメリット
「お客さんにもっと分かりやすいサンプル商品などを渡したいな~」
と、思われる方も多いと思います。
確かに、具体的な商品を持たない先生業であるあなたは、サンプル商品を渡すことはできません。
しかし、その代わりに情報を提供するには大きなメリットがあるのです。
それは、お金がかからないということです。
商品サンプルを無料で配る場合、もちろん数にもよりますが、大きな費用がかかります。
しかし、情報の場合は文字で書いて、自社でプリントすれば費用はほぼかかりません。
さらに、インターネットを使って
- 自社サイトへの書き込み
- メールで送る
- PDFファイルでの配布
などであれば、さらに費用と手間をかけることなくできてしまうのです。
返報性の原理を使えばあとで買ってくれる
返報性の原理を使えば、全員のお客さんが買ってくれるのか?
もちろん、実際はそんなことはありません。
先の靴屋さんの例でいえば、店員さんが親切にしてくれたとして、それでいつも断れずに購入し続けるというのは現実的ではありません。
多くの場合、心に何か引っかかりを感じながら断るのです。
この時点では、店員さんはお客さんに買ってもらえていません。
しかし、たとえば後日に「お金が入った」「よく考えたら結果無理してでも買いたい」「やっぱりほしくてたまらない」などと考え直し「買う」と決断した場合には親切にしてくれた店員さんから買う可能性は高いのです。
返報性の原理では第一に見返りを求めない
返報性の原理に共通するお客さんの心の変化は、「ここまでやってくれるなら、それにこたえたい」という気持ちです。
これは日本の「おもてなし」に通じるのではないでしょうか?
間違えてはいけないのが、下心なく与え続けた結果であって、
「ここまでやったのだから、買ってください!」ではないということです。
この線引きはお客さん個人によって違うので、難しい部分ではありますが、お客さんに何かを提供する際には気を付けてください。
まとめ
ビジネスにおいて返報性の原理はとても強力で有効な手法となります。
そして、具体的な商品のない先生業だからこそ、『物』ではなく『情報』を与えることによって、費用と手間をかけることなく、多くのお客さんに発信することが可能なのです。
すぐには成果が出なかったとしても、『与えること』を積み重ねていくことによって、長期的に安定したビジネスを作る土台を作ることが可能になっていくのです。