旅行などに行ったときに、普段買わないようなものまで購入して後で後悔したことはありませんか?
人は
『いつでも買えるもの』『どこでも買えるもの』
よりも
『今しか買えないもの』『ここでしか買えないもの』
のほうが欲しいという気持ちが高くなります。
このようなものを『希少性』が高いと言い、欲しい人に対して買える量が少ないことを指します。
だから、旅先や遊園地などでは財布のひもが緩むと言われるのです。
今回はこの希少性をビジネスに活かしていくお話をしていきます。
Contents
希少性が高いと欲しくなる
あなたがこんな広告を目にしたらどんな気持ちになるでしょうか?
『世界的に有名な○○という時計メーカーが、○○記念モデルをシリアルナンバー付きで世界〇個限定を発売!日本向けには〇個しか販売されないものを当店で〇個限定入荷!』
もしあなたがその商品を「欲しい」と思っていれば「急いで買わなくてはいけない!」と思うでしょう。
もし、特別「欲しい」と思っていなかったとしても、この言葉を聞くと「せっかくだから買おうかな?」と思ってしまいませんか?
そこには
- 今買わないと二度と手に入らないかもしれない
- 全体数が少ないから、他の人も欲しいはず
- 入手困難だから、高額でも価値があるように感じる
などの気持ちが働くのからです。
人は希少性が高い(と感じる)ものを買いたくなる心理が働くのです。
これを『希少性の原理』と言います。
希少性の原理の実験
希少性の原理を証明するためにある実験が行われました。
ビスケットAの入れ物に2枚だけ入れます。
そしてBの入れ物には10枚入れます。
どちらも同じビスケットです。
そしてAB2つの入れ物に入ったビスケットをそれぞれ被験者に食べてもらいました。
結果
大半の被験者はAの入れ物に2枚だけ入っているビスケットの方を「おいしい」と判断したのです。
このように人は希少性が高いと思われるものの価値を高く感じやすい傾向にあるということが証明されました。
日常のビジネスで希少性の原理を使った例
この希少性の原理をビジネスに活用すれば、お客さんの購買意欲を増すことができるのです。
ここでは実際にお客さんに希少性を伝えて、購買意欲を刺激している例を見ていきましょう。
- 1日5食限定の・・・・
- 牛一頭から〇〇グラムしか取れない部位
- 平日でも1時間待ちの・・・・
- 3カ月先まで予約でいっぱいの・・・・
- 今から30分だけのタイムサービス
- 限定〇名様だけのサービス
- この地域でしか食べられない・・・・
- 本日限り
- 先着〇名様
- 〇個限定
- 1日〇組だけしか予約を受けない・・・・
- この時期だけしか見ることのできない景色
- 残り〇個
などです。
このようにビジネスでは、希少性を出してそれをアピールしていくことが可能になります。
自社の商品やサービスの希少性を高めることは、戦略的なマーケティングといえます。
これを利用して、あなたの商品やサービスに付加価値を高めることはできないか、考えてみましょう。
希少性を納得してもらうには根拠が必要
ここで注意点があります。
いくら希少性を高めたいからと言って、根拠のない限定はお客さんに届くことはありません。
「有益な○○情報を10名限定で公開します!今すぐこちらから、ダウンロードしてください!」
と、PDFファイルでダウンロード・・・。
↑
↑
↑
いくらでも複製可能なPDFファイルを10名というのは説得力に欠けますよね。
これは極端な例ですが、限定10名ならなぜ限定10名なのかを納得のできる形で説明する必要があります。
「職人さんがあえて昔ながらの手法で手作りをしているので、1日10個までの限定生産です」
・・・・なるほど。
「大人気でメーカーでの生産が追い付かず、ようやく10台だけ入荷しました!」
・・・・なるほど。
と感じてもらえるのです。
あたりまえですが、嘘もダメですよ。
そういうのは、お客さんに伝わります。
あなたの商品やサービスの希少性を伝える
基本的に物体としての商品がない場合が多い先生業でも希少性を伝えることは可能です。
例えばある足つぼの先生は、1日に4人までしかお客さんを取りません。
また、3カ月先まで予約がいっぱいです。
これを伝えることによって、お客さんは希少性を感じて先々の予約まで入れていきます。
また、税理士さんはセミナーを開催する際にあえて狭い会場で行います。
そして告知の段階で『会場の都合により定員〇人』と謳うことによって、早い段階での安定した申し込みを確保し続けています。
整体院の経営者は好評につき料金の値上げを決定しました。
その際に、『〇月から値上げです』と伝えた結果、その前月までに回数券の売り上げを大幅に伸ばしました。
あなたもあなたの業界希少性を考えてみましょう。
まとめ
希少性の原理を使ってよろしくないビジネスをしている方も時々見かけます。
「絶対に儲かる○○・・・、締め切りまで○○(カウントダウン)」などと希少性の原理を利用して、冷静な判断をする前に申し込みをさせるようなビジネスやサイトがあるのも事実です。
つまり希少性の原理はこれほどまでに強力だともいえるのです。
しかし、真っ当なビジネスをしているあなたであれば、商品やサービスが良いものであることが大前提となるはずです。
商売の原点は信頼です。
お客さんは売り手を信頼して購入をするのです。
その信頼に応えるビジネスをしていきましょう。