経営者の大きな課題は、新規のお客さんの開拓です。
ライバル会社との競争、かかる手間とコスト、そしてギリギリまで読めない売上・・・・。
新規のお客さんを開拓する費用は、既存のお客さんに再度購入してもらうためにかかる費用の10倍とも言われています。
そして年々それはさらに向上しています。
本当に胃がキリキリする毎日を送られているかもしれません。
では苦労して獲得した新規のお客さんは、どれくらいの利益をもたらしてくれるのでしょうか?
今回は、この考え方に基づいて、あなたの会社のお客さんの『ライフタイムバリューとは』について考えたいと思います。
Contents
ライフタイムバリューとは何ですか?
あまり聞きなれないライフタイムバリューとはいったい何でしょうか?
ライフタイムバリュー”Life Time Value”(LTV)とは、日本語では『顧客生涯価値』と訳されます。
分かりやすいようにあえて超端的でドライな説明をすれば、
1人のお客さんが、合計(一生のうち)であなたの会社にどれだけのお金を落としてくれるか?
です。
ライフタイムバリューとはどうやって考えたら良いのですか?
では次にライフタイムバリューの考え方についてです。
例えばあなたが飲食店を経営しているとします。
そこのお客Aさんは、2年間毎月4回訪れては1000円の定食を注文します。
つまりAさんは、4回×12ヶ月×2年間で合計96回来店したことになります。
1000円の定食のうち利益は700円です。
この場合、Aさんの場合のライフタイムバリューは
700円×96回=67,200円
となるのです。
もちろんこの場合はAさんに限った話になります。
当然、他のお客さんのライフタイムバリューは変わります。
そこで、その平均値を出すことによって、会社(お店)における1人あたりの平均ライフタイムバリューが算出できるのです。
ライフタイムバリューとはどう活用したらいいのですか?
では、お客さんのライフタイムバリューが算出できたとして、それをどのように活用すれば良いのでしょうか?
仮に1人あたりのライフタイムバリューが50,000円だとします。
つまり、新規のお客さんを獲得することによって50,000円の利益がもたらされる。
ということです。
当然、新規のお客さんを獲得するのは簡単ではないので、費用(や手間)がかかります。
しかし、このお店でのライフタイムバリューが50,000円と分かっていれば、1人のお客さんを獲得するために49,999円までかけても赤字にはならない計算を立てることが可能になるのです。
ライフタイムバリューが注目される背景
今までの売上の基本的な考え方は『1つの商品がどれだけ多くの人に売れたか?』でした。
しかし現在の市場は成熟し、ライバルも多くなって競争が激化しています。
そこでは『どれだけお得意様がいるか?(顧客の囲い込み、ファン化)』が重要視されてきたのです。
つまり、今の売上という『点』から、関係性を重視した『線』で長期的に売上を上げていく方向に進化したと言えるのです。
これはある意味で言えば、お得意様を大切にする日本的な考え方と言えるかもしれません。
ライフタイムバリューの高い会社・低い会社
お気に入りのブランドなどに代表されるように、その会社の商品を入れ替わりで何度も買ってもらえる会社があります。
アップル社などは分かりやすい例で、マニアはアップルの新商品が出るたびに店頭に並んでまで購入します。
もっと身近な例では、子供のころからずっと通っている近所の床屋さんなんていのもそれに当てはまります。
このような会社はライフタイムバリュー高くなる傾向があります。
反面、たまたま入ったお店で、2回目に来店する理由がなければもう来ないお店などもあります。
このようなビジネスであれば当然、ライフタイムバリューは低くなります。
このように、ライフタイムバリューとは、お客さんがどの程度その会社やお店が好きでいてくれるかに大きく左右されるのです。
ライフタイムバリューを高める意識
では、そんなライフタイムバリューを高めるにはどうしたらよいでしょうか?
もちろん方法は1つではありません。
キーワードとなるのは、『会社のブランディング』と『お客さんとの関係性』です。
アップル社やエルメスなどの会社は、そのブランドからもたらされる安心感に人々は引き寄せられるのです。
そして、お客さんを継続的に呼び寄せ、継続的な関係性を作る仕組みづくりです。
- イベントを行う
- 会員制度
- ポイントカード
- アフターサービス
- ダイレクトメール
- 新たな商品の開発
- 社員の人柄
など、お客さんの「気になる」を刺激し、お客さんから忘れられない会社作り。
これこそがライフタイムバリューの向上には欠かせないのです。
まとめ
ライフタイムバリューとは1人のお客さんが、合計(一生のうち)であなたの会社にどれだけのお金を落としてくれるか?です。
ライフタイムバリューを高めることはお得意様を増やすことだとも言えます。
売ったら終わりの商売で、新規のお客さんのみを対象にしたビジネスではは先は長くありません。
あなたの会社でもライフタイムバリューという考え方を取り入れるとともに、あらためてお客さんとの信頼を勝ち取る行動を見直してみてもいいかもしれません。