お客さんから『選んでもらう』ためにライバルとの差別化が必要。
あなたもこんな言葉をいたるところで耳にしているのではないかと思います。
しかし現実はライバルとは違う、オンリーワンを獲得するのは簡単ではありません。
そんな中で私たちはどう差別化について考えていけばよいのかについてお伝えします。
完全なる差別化?
あなたの会社の商品やサービスは、完全オリジナルであなたからしか買えないものですか?
仮にそのような商品であり、尚且つお客さんに充分なにニーズがあったとします。
であれば、その商品の存在をお客さんに知らせることができれば、あなたの会社から購入するしか選択肢はないわけで、お客さんはこぞってあなたの会社から購入をするはずです。
しかしほとんどの場合は、他の会社でも同じ用途の商品やサービスを扱っていたり、他の類似商品が存在します。
その中からあなたの会社の商品やサービスが選ばれる理由が必要です。
選ばれる理由
お客さんに選んでもらうためには、選ばれる理由が必要です。
例えばあなたが八百屋が多数並んでいる通りで普通に野菜を売り始めても、お客さんがあなたのお店で野菜を購入する理由がありません。
その場合お客さんが来るか来ないかは、運任せと言って良いでしょう。
実はこのようなスタイルで経営をしている会社が非常に多いのが現実です。
『選ばれる理由』で大切なのがUSPという考え方です。
USPとはUnique Selling Proposition(ユニーク・セリング・プロポジション)の略で、コピーライター 広告マンとして知られたロッサー・リーブスが1961年にまとめました。
彼は自身の著書においてUSPの基準を以下の3項目としています。
- 広告は顧客への提案でなければならない:単なる言葉の羅列や宣伝文句ではなく「この商品を買えば、こういう利益を手にする」と伝えるべきだ。
- その提案は独自のものであること:競合が同じ提案をできない、あるいはしないもの。
- 提案は強力であること:大衆を動かす力がある提案をする。
ロッサー・リーブス著Reality in Advertising
これら3つを今の段階では、差別化や独自性や強みと同義語と捉えておいて問題はないでしょう。
他の会社やサービスとは違うということがあなたを選ぶ理由になるのです。
差別化の具体例
では、大手企業などではどのように他社との差別化をしているのでしょうか?
ここでは有名企業2社を参考に見てみましょう。
ダイソンの掃除機
「吸引力が変わらないただ一つの掃除機」
ダイソンの掃除機はコマーシャルでも言っているように、「吸引力が変わらないただ一つの掃除機」です。
普通の掃除機は、ゴミを吸引しているとその溜まったゴミの影響で吸引力が落ちるのですがダイソンの吸引力は一定です。
これを他製品との違いとして打ち出しました。
これは非常に優れた他製品との差別化になっています。
M&M’S
「お口にとけて、手にとけない」
通常のチョコレートは、気温が高い日やポケットなどに入れているととけてしまうのが悩みでした。
そこでチョコレートの周りをコーティングして、一定の温度以上にならないととけないように改良しました。
普通のチョコレートと比較した場合、これも優れた差別化となっています。
差別化の意外な真実
ダイソンの掃除機とM&M’Sの例を出しましたが、何か気づいたことはありませんか?
少し考えてみてください。
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「吸引力が変わらない」掃除機
・・・・・吸引力が変わらないと言っていますが、吸引力が最強とは言っていませんよね?
「お口でとけて、手にとけない」チョコレート
・・・・・最高においしいとは言っていません(おいしくないわけではありませんが)。
もしかしたらダイソンの掃除機が吸引力の強力さで戦えば、日本製の優れた掃除機には勝てずにその部分をお客さんにアピールできなかったかもしれません。
M&M’Sもおいしさという土俵で戦った場合、世の中の数多ある有名高級チョコレートには勝てないでしょう。
差別化で大切なのは優位性でなく独自性
「うちみたいな個人経営は大手には敵わない・・・」
USPや差別化、独自性などと言うと、最高のものでなくてはいけないと考える経営者の方が多くいます。
大企業にも負けない最高品質のものが作れるのであれば構いませんが、小規模事業者や資格ビジネスではそうはいかないことも多いです。
ここで大切なのは差別化のポイントは優位性でなく独自性であるということです。
しかもその独自性は、部分的なところで良いのです。
大枠は大企業には敵いません。
しかし、大手の手が回らない細かい部分ならば、あなたも差別化を打ち出せるところがあるはずです。
まとめ
現状、あなたの会社は業界ナンバーワンではないかもしれません。
しかし業界ナンバーワンとの違いを打ち出すことはできるはずです。
それが決まればそれはあなたの会社の差別化ポイントですから、そこを強化するために行動するのです。
結果、そこに価値を感じるお客さんが来てくれるようになるのです。
あなたの会社の差別化、あらためて考えてみてはいかがですか?